令和元年度 智頭小学校保健委員会(2019年7月30日)において、依頼されて講義をした際の資料です。

 本会 令和元年度 第1回 の 主題は「自律する子どもの成長を願って」でした。

 時間的な制約から、解説を割愛した資料もありますので、本稿で、自身の思いを含め、補記しました。

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歴史は繰り返されます。8年前にも当時の智頭小(町内6小学校統合前)から求められた主題が子どもの姿勢やメディアとの関係などについてでした。

姿勢には立位、座位で大別できます。学校では授業中の子どもたちの姿勢が教師の立ち位置から、差が目立ち易く、問題になり易い訳です。子ども自身は、無意識でいると、自身の座位姿勢には無頓着です。

椅子座位姿勢に係る要素を提示しました。学童であるがゆえに、家庭要因におけう保護者の支援は必須です。同時に、学校側との連携も必須です。精神面では、自己肯定感、達成感・満足感に係る視点・配慮も必須です。

 “ガンバル・頑張れる”心身とする支援の基本は、「早起き(・必然的に早寝)、(大脳の主栄養であるでんぷん質・炭水化物を重視した)朝食、(時間的なゆとりを持って、大便の)排泄を登校前に済ませておく身体リズムの獲得・生活習慣化が願いとなります。

 生活習慣化は、即ち、大脳の習慣化と理解することができます。“体で覚える・体が覚える”ことですが、野球・サッカーや水泳・自転車・一輪車などと同様のことです。

 早起き、望ましい朝食や排泄習慣は、健康な人生(非生活習慣病)の基本であり、幸せな人生とするための要です。

 早起き(、必然的に、早寝)の生活リズムを、幼少期・学童期に大脳に定着させる家族文化が願いになります。

 睡眠は、発育期の子どもには極めて重要ですが、成人年齢でも重要です。

 身体面では、子どもでは身長発育に直結します。身体の休息に不可欠です。

 子ども・大人に共通しますが、自律神経機能の活性化、身体リズムを整える観点でも大切です。また、

 大脳の休息、大脳の発達においても、睡眠の意義は大きいのです。大人も然りです。そして、

​ 人生の願いである、健康感・幸福感や情緒の安定にも睡眠は重要です。

 睡眠の分類と型を図示しました。

 就寝と共に、深い睡眠(睡眠深度が深い=深睡眠)に入ると、成長ホルモンが花火のように分泌されます。やがて、夢を見る睡眠(体は寝ているが大脳が活性化している)REM睡眠を経て、再び、深い眠りに陥ります。

 これを繰り返すと、深睡眠の程度・時間が減り、REM睡眠が増えます。いわば、付録・お釣りの睡眠期です。

 願いは上記のモデルの睡眠を獲得することです。

※ 脳波で、睡眠の段階を知ることもできます。必要があって、終夜睡眠を検査して分かることです。

上記モデルの望ましい睡眠を獲得するにはどうすれば良いのかを考えます。

 脳内ホルモンの一つであるメラトニンは、生体リズム・深い眠りに関係します。つまり、地球に注ぐ太陽光による明るい朝・日中と・暗い夜の自然なリズムと、人間を含めた動物の生体リズムに密接に関わっています。その分泌を、模式図で示しました。上段は、生来的な願わしい分泌形態です。下段は、崩れたリズムです。

 生活習慣と睡眠の質は、極めて関係性が深く、夜に光や刺激が多い現代の生活環境に煩わされることがないように、とくに、子どもたちの大脳を育てる上で、保護者が配慮することが重要になります。

 勿論、大人においても重要なことで、夜、就寝前にテレビ、ゲーム等で、大脳を興奮させることは避けねばなりません。

 話題を転じます。クイズを!

 一日の生活を通じて、飲水が“宝水”と称されるのは、いつ何時に飲む水のことを言うのでしょうか?

*起床時

*昼食前

*のどが渇いたと感じたとき

*就寝前

イズの答えは就寝前です。勿論、起床時の飲水、のどが渇いたと感じた時や食事の際の飲水も大切です。が、とくに、敢えて“宝水”と称するのは、一日の生活リズムの中では、就寝前の飲水の重要性を謳った飲み方です。

 私たちは、睡眠中も全身が活動を続けています。呼吸をすることで、肺の中では湿度100%の呼気を排泄し、相対的に乾燥した空気を吸います。室温や体動に伴い、発汗もします。一方、睡眠中には飲水しません。となると、睡眠中には体の水分は減ることにない、血液の粘稠度が高まる傾向に陥ります。

 細胞間の組織駅の流れ、細い血管の流れが滞納します。この状態、つまり、微小循環不全の状態では、睡眠中の疲労回復が不完全になり、疲労が快癒し難くなります。

 一方、生活習慣病のある方、寒冷環境刺激などで、朝方に脳血管障害、心筋梗塞を発症する誘因にもなり得ます。

 季節・天候、昼間の活動の状況(:運動をしっかりとした、大声を出したなど)、昼間の飲水の状況、疲労感を感じているか否かなど、多種の要因を考慮しますが、就寝前に、体の疲労を感じていたり、ノドの渇き感を抱いた際には、面倒がらずに飲水をしてから就寝をすることが大切です。

人の脱水に係る模式図です。外来診療の際にもジェスチャーで示して啓発することが定着していますが、プールやお風呂は、栓を抜くと水平に水位が下がります。一方、ヒトの体は・・・?!

 大脳の循環は保たれます。大脳の循環が低下するほどの脱水では、意識障害・けいれん発作などを来し、生命維持の危機となります。

 人は、大脳の循環を保つ一方、胃腸の循環は低下しがちになります。

 ウイルス性胃腸炎、ウイルス血症により高熱が持続する際、熱中症の際などでは、とくに、胃腸循環が低下しがちになります。脱水症の病名がつく、つかないに係わらず、脱水徴候の状態では、胃腸炎や疲労の快癒は遅れます。

 “宝水”を含め、上手な飲水は人生の質にも係る重要な要因なのです。

“宝水”が就寝前に飲む水ですが、単に水・水道水がオススメです。夜、夕食後に避けたい飲料もあります。

 なお、子どもたちの場合は、帰宅時にくたびれている様子がうかがえる際はとくに大切ですが、しっかりと飲水し、夕食までに利尿(しっかりと排尿・2回以上の排尿)を得ることが大切です。その上で、夜尿傾向のある子どもなら、就寝前は口内を清潔にする程度でもOKです。

 また、高齢者で、夜間頻尿が気になる方、生活習慣病のある成人の方は、“宝水”の摂取量を加減してください。

※ ノドの渇きを感じて、甘い飲み物を欲しがるなどの際、糖尿病には留意が必要です。とくに、年齢を問わず、それまで診断されていない方で、稀ですが、急性発症の糖尿病にも留意します。

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関連して、私事ですが、就寝前にのどの渇きを感じた際、ときに、結果として水道水を飲み過ぎて、就眠後利尿感を感じて(:熟睡後のREM睡眠期に)目覚めて、トイレで排尿することもあります。その際も、ノドの状態で、さらに追加して飲水し、再度、就眠することは稀ではありません。

 また、講演準備や処理作業等の仕事がある場合、意図的に飲水を多くして就眠することも少なからずあります。これにより、利尿がついて、一方、幸い、微小循環が保たれている熟睡により、短時間睡眠で活動が維持できることになります。

 なお、細胞の“生き生き”にも係ることですが、睡眠中に微小循環が保たれることは、長い人生において、重要なことと確信しています。今秋、古希を迎える身であり、自身の体験・体感(:体感年齢は暦年齢の約1/2)からも、感謝しつつ、確信していることです。

体の健康は心のあり方と密に関係しています。「体調はいかがですか?」の問いは、「自律神経系の機能はいかがですか?」と換言できます。

 生活習慣病をもたらす、ないし、生活習慣病を悪化させる因子として、肥満・過食や塩分過剰・偏食、さらに、喫煙・飲酒過多がありますが、日々の脱水状態・脱水傾向もかかわります。

 心的面では、イライア・カリカリやクヨクヨ・ハラハラ、不平・不満・悲しみ・恐れ・緊張・怒りなどが、身体機能に負荷をかけ、生活習慣の悪化ないし生活習慣病の悪化要因とないます。

 さらに、免疫能の低下、つまり、感染免疫や癌免疫を損ねることになります。

 転じて、「体調が良い」ことは「自律神経系の機能が良い」ことと共通します。要因として、過食をしない・偏食をしないことや適正塩分摂取、禁煙、節酒が望ましく、生活習慣病を遠ざけるないし生活習慣病を軽減することになります。

 心の面では、ニコニコ・ユッタリや、笑顔・平穏・感謝・受容などがキーワードになります。

 さらに、〔自他を祝福〕する心のあり方も重要です。が、これはハードルが高く、一生を通じて高めたい要素と言えます。自他の自、つまり、〔自分を自分が祝福すること〕とは、自身の命そのものです。私たちが読み書き算盤・話すこと・考えることや多種多様な感情を抱くことは大脳の働きですが、これを支えてくれる無意識で命・身体リズムを整えている自律神経系が機能しています。体温、心拍数、尿量、発汗、消化吸収などです。つまり、私たちは、実に高度なスーパーコンピュータに相当する(以上の)命を整える制御システムを有しているのです。この事実に対する感謝・祝福です。

 自律神経系もですが、細胞レベルでの視点も欠かせません。例えば、心臓を形作る細胞は、各々が心拍指令に基づき、連動して血液を拍出するポンプ機能をいじしています。そして心臓を形作る細胞は常時細胞死と細胞分裂を継続することで(子どもの場合は成長に係る大きさも増しつつ、大人では劣化を防ぐ)心機能を維持しています。つまり、心臓以外のあらゆる臓器が細胞死(アポトーシス:自然死)と細胞分裂を繰り返すことで、私たちの体の形状を保持し、機能を維持しています。この事実に気づき、感謝することが〔自他を祝福〕の〔自分を自分が祝福すること〕なのです。

 〔自他を祝福〕の〔他を祝福〕においては、伴侶・子どもたちや家族・仲間など、関係する人の生命に対する祝福でもありますが、さらには、妬み・羨みの念を排することも重要で、このことが実は難しいのです。

 家族は別として、ご近所・職場などで、生活を通じて相手のステキを素直に称えることは〔自他を祝福〕に適うのですが、相手を妬む・羨む自身の心のあり方は、自身を蔑むことになるので、避けることが大切です。

 体力は、筋骨逞しいこともですが、医学的には自律神経系の機能を重視します。

 体調が良いことは自律神経系の機能が高いことと換言できます。

 自律神経系には2系統あります。日本語では、(残念ながら)[交感神経系]と[副交感神経系]の名称で、後者が“副”であり、主従・強弱の関係性と誤って理解されがちです。が、人の生体リズムを整える観点では表裏一体です。

 英語では、例えて、交感神経系が fight (日本語になっているファイト!)で、副交感神経系は L が入った flight (フライト:フライトレコーダーのフライト・飛行ですが、転じて、休息)です。ファイト&フライトで覚えます。

 私たちは大脳がストレスに抗する際に、交感神経系を優位に働かせています。一方、食後、休息時や睡眠中は、体の機能を整えるために機能する副交感神経系が優位になります。

 そころが、現代社会では、ストレスが過剰になり易く、バランスとして、交感神経系が優位の状態が持続し、副交感神経系の機能が萎えると、多種多様な疾患・心身症に陥りがちになります。生活習慣病やがん(癌)も該当します。

 子どもが育つ過程で、夏に冷房、冬に暖房の環境で保護されると、かつ、大人の監視が行き届き過ぎると、交感神経駅・副交感神経系の両者が萎えてしまいます。

 文字の大きさで示していますが、交感神経系・副交感神経系の両者が生き生きとバランスを保つ生活、育ちや加齢が願いになります。

 その秘訣は既述した通りです。

生涯教育の一環で、自身は“Globally thinking, Locally acting”(地球的視野で考え・学び、地域で活動する)を大切にしています。

 智頭中から求められ、3年生を対象とした特別授業[性教育講演会]を2時間の授業枠で実践し12年が過ぎました。冒頭で、NGO セーブ・ザ・チルドレンから引用した本内容を提示し、〔幸せとは何か?〕を考えてもらいます。

 現代日本・智頭で生まれ育った智頭中生徒にとって、実生活において、戦争・難民は無縁です。先進国の中では、相対貧困率が高い日本ですが、それでも写真の子どもたちと智頭の子どもたちとは比較にならないほど、智頭の子どもたちは恵まれています。災害は、日本列島で生まれ、生きている限り、大なり小なり影響を被りますが、命や心身の後遺症に至らないならば、是とせざるを得ません。が、幸い、国力があるので、復興の道筋は途上国よりは恵まれてはいます。(人的災害や住環境が奪われた方々への祈り込めつつの記述でした。)

 写真の子どもたちの衣・食・住は? 水・空気・安全は? さらに、学校・教育は? 人と人の関係性は? と幸せについて考える上でのキーワードを提示し、一人ひとりに「幸せとは何か?」問いかけをしています。

「幸せとは何か?」について、自身が考えるモデル図です。

 今秋に古希を迎える身になって実感していることです。自身が今の年齢になって初めて実体験していることでもあい、確信的に言えますが、大脳は日々刻々と“構造改革”をしており、高齢者になっても“発達”しています。

 平成2年度に、当時の鳥取県教育委員会が社会教育の一環として、「生き生き鳥取っ子」のイメージを整えることを予算化し、自身も(医師として唯一)参画し、議論を重ねました。

 自身は、[命]・[夢]を重視し、議論を重ね、幸い採択されたのです。[創造・挑戦・表現・感動]を含めた6つの要素は、四半世紀以上経過した今でも大切に育んでいます。

 個に大切な6つの要素は、家族・友人に支えられ、さらに、地域・学校に育まれ、その根底に地球・歴史・文化を置いたイメージとして整いました。

 気づくと「生き生き鳥取っ子」のイメージは、子どもを育て、支える大人たちこそ大切にしてほしいイメージと気づきました。つまり、「生き生き鳥取人(智頭人)」です。

 あなたも、あなたの人生を通じて、あなたの命を(:非生活習慣病のライフスタイルを)今・今から大切に育み、実現可能な夢を抱き、創造・挑戦・表現・感動が持続することをめざして欲しいのです。

失敗・後悔のない人生はあり得ません。自身も若い時に他の人を傷つける言動を(医師の立場で強弱の関係に陥って言動を)したことを悔やんでいます。一方、幼少期から少年期にかけて、父親から身体的・心理的暴力を受けて育った心身虚弱でもあり、この負い目は青年期・親になった当時までありました。

 幸い、多くの方々・書物等からの学びを得て、「幸せな人生とするヒント」も揺らぎのない信念、人生の軸として整えることが出来ました。(四半世紀以上まえから改変していません。軸ブレなしです。)

 今・今からを大切に、過去にとらわれないで、達成可能な方法論を展開し、積み重ねることが「幸せな人生とするために」とても重要です。

 一方、過去に囚われたり、責任論・感情論に陥ると困ります。私は、連続テレビドラマ類を見なくなりました。そこには喜怒哀楽がありましょうし、「悪いあの人」・「かわいそうな私」や、「悪い私」・「かわいそうなあの人」が登場し、演じ、ハラハラ場面で、では次回に・・・、で、いわば大脳が困る働きに陥りがちになりましょう。

​ 一方、私には、テレビを見ている時間的なゆとりがないのです。アレコレと挑戦できていることに感謝します。

 姿勢に関連して、いわば“生き様論”を展開しました。自身、還暦を契機にアレコレとさらなる挑戦を重ねて、今秋に古希を迎えるに至っています。この後、どの暦年齢になったら老いを感じるようになるのかの楽しみもあります。(不遜な記述ですが、私的には事実・本音です。)

 要約すると、「ありがとう・うれしい・ステキだ」が日々刻々と循環している生活・人生が持続し、上達することが願いになります。支えてくださる人たち、自然環境などに対してです。そして、自身を形作る細胞クンたちに対しても・・・。(自他を祝福の観点ですネ。

2019/7/31 記   このページのトップへ

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