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 赤ちゃんにやさしい病院(Baby Friendly Hospital ; BFH)認定への道

 鳥取県立中央病院は、2002年8月、自治体立病院では「赤ちゃんにやさしい病院Baby Friendly Hospital; BFH)に全国で最初に認定されました。BFHは、WHO、ユニセフが主催し、厚労省、日本医師会が後援しています。

 認定に至る過程は、WHOが提唱する母乳育児のための実践状況や退院時の母乳育児率などの実績、ユニセフ(から委嘱された)担当者が現場視察・病院幹部との質疑など、厳しい基準をクリアすることが必要です。

 

付) ※ 母乳育児三部作は、ユニセフ・厚労省が推進する〔赤ちゃんにやさしい病院 Baby Friendly Hospital ; BFH〕を全国の自治体立病院で、最初に認定されるに至った端緒にもなった。

第8回 鳥取医学賞受賞対象論文<母乳育児三部作> 鳥取県立中央病院における「母子同室制と母親の気持ち」に関する検討【原著】鳥取医学雑誌.26:191-195.1998. 鳥取県立中央病院周産期センターにおける母乳育児支援 【原著】鳥取医学雑誌.26:186-190.1998. 母 乳 育 児 の 動 向【総説】鳥取医学雑誌.26:180-185.1998. 

 

BFH認定式における受賞スピーチの記録 2002年8月 仙台国際センター(仙台市) 

 

智頭病院に異動後、富山県・富山県立中央病院からの依頼で、出かけて講演をするに至った講演

赤ちゃんからのメッセージ~母乳育児は赤ちゃん・親育ちの出発点~」 の講演記録)

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智頭病院に異動後、富山県・富山県立中央病院からの依頼で、出かけて講演をするに至った講演

赤ちゃんからのメッセージ~母乳育児は赤ちゃん・親育ちの出発点~」 の講演記録)

本内容は、上記における受賞記念スピーチ(主催者による文章)です。

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 自治体病院で初めての認定。鳥取県下に拡げる努力をしたい

 

 こんにちは。鳥取県立中央病院の医療局長の大谷と申します。先ほど、初めて、初めてという言葉がでました。私達も、初めて、という言葉を使わせていただきます。全国の自治体病院の中での第1号の認定となりました。特に、県立病院ということですから、私達も地域の基幹病院として、例えば骨髄幹細胞移植も1987年から手がけ、私も実際、取りかかったりもしています。或いは、養護学校や療育園、肢体不自由通園の施設もあり、とにかく25診療科ある中で、看護師さん達と一緒に取り組んできたのが、1991年からでした。

1994年には母乳率94%に

 国立岡山病院に、早速学びに行かせていただきまして、実は1994年の段階でNICUに入られていない方々の退院時の母乳育児率が94%位ありました。しかし、なかなか土壌が耕されていなかったと言いましょうか、院内合意でしょうか、やっと昨今、院長の理解、なによりも看護師、助産師さん達のエネルギッシュな活動があって、3月に視察を含めて、認定を得ることができました。

 個人的なお話をさせていただきますと、絵が好きです。今、認定証を初めて見せていただきますと、とっても素敵ですねぇ。ぜひ、これからというところも勇気を出して、いただけれるといいなぁと感じます。こうして見せていただきますと、ピカソの絵そのものが、とてもぬくもりを感じますし、エネルギーを与えてくれてる、エンパワーメントを持っている気もします。

 全国の県立病院、あるいは自治体の病院がたくさんございますが、認定されたことで、地域にある自治体病院であるがゆえに、赤字だ云々ということを抜きにして、赤ちゃん、そして、お母さん方へお本当の権利といいましょうか、権利云々という堅苦しいことになってしまいますが、とにかく大切なもの、人として保証できる地域行政、あるいは地方自治をお願いしていこうと思います。

視野は地球的規模で、そして地域でしっかり活動

​ 鳥取県は、ご承知の通り、全国で一番人口の少ない60万ほどの県ではございますが、片山知事は、しっかりと全国で名を馳せております。私自身も大切にしている言葉が、Locally Acting, Globally Thinking、つまり、視野は地球的規模で、そして、地域でしっかり活動するということなのですが、これは地方行政も同じことだなと思っています。

 今日のこの機会をきっかけに、院長、そして病院全体でさらには鳥取県の地方自治として、福祉保健部の皆さんとも一緒に、しっかり啓発していこう、そのような覚悟でございます。新たな重い役割ですが、ピカソの絵にも支えられ、そして、皆さん方多くの仲間に支えられて、きっと一歩ずつ着実に動けるものだろうと思っております。

 今日は本当にありがとうございました。

※ 日本母乳の会発刊「第11回母乳育児シンポジウム」誌にある本文(p.15-16)は、小生の校正なしでした。一部、漢字や英単語の間違いがあり、訂正してあります。

 

2002BFH-Bravi
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