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<当直時間帯を含め、今後を考える上で重要な症例>
患者の発生(1例目)第2報 3/3 抜粋 / 神戸市 
神戸市の第一例:咳がない発熱で肺炎~臨床診断が難しい稀な経過
40歳代・男性 会社員、単身、海外渡航歴なし
2月27日 37.5℃、咳症状。自宅療養。外出時はマスク着用
28日 Aを受診
29日、3月1日 A 電話にて状態確認
2日  Bを紹介。タクシーで移動。Bに入院。38℃、軽度の倦怠感、咳なし。肺炎所見あり。感染を疑い検体採取
3日 陽性と判明。37.3℃、容態は安定
~~~
<自問自答>
ご時世ゆえ、ご本人が丁寧でかつA・B医療機関の対応が適切で、咳がない微熱程度で、画像診断(胸部CTと推測)で肺炎像が判明した例。
COVID-19が話題になっていないならば、受診もせずに、自宅療養での治癒した例と診る。

国内発生期~移行期を過ぎて、早、国内流行期(蔓延期)に至っている懸念も抱く症例

現時点では、COVID-19患者の家族・同居者でウイルス陰性例が少なからずあるが、不顕性感染で経過している方も・・・ : 抗体検査での調査(血清疫学は臨床研究・国の施策として実施されること)で、判明する。

 

新型コロナウイルスの検査が保険適用となり、検査費用を公費で負担することで、診断例は急増する。医師が必要とする場合が基本だが、患者が求める際に、本症例を経験すると、一概に検査対象とならない説明が出来ないゆえ・・・。
日本は、国民皆保険制度と検査費用が公費負担になることで、諸外国と異なる感染者数の増加が目立つことになる。一方、死亡率は(2009年当時の新型インフルエンザ同様)低率になる。
インフルエンザは治療薬があるので、感染制御に資することと合わせ、迅速診断検査が活かされる。
が、COVID-19は治療薬がない。
かつ、これまでと異なり、病状が経度でも、今回の神戸市の第一例のように(他の感染症と異なり、軽症で)入院させると、このことが医療崩壊(病床不足)を招くことになる。
となれば、COVID-19と診断されても、非入院で、在宅医療で診ていくことになる予測が成り立つ。

 

そして、現時点では(当然のことだが)COVID-19患者が出たら、生活歴、濃厚接触歴等を調査し、感染制御に国民が一致団結・協力して対処することは当然だ。

が、一方、

第一線の臨床医は、(現時点では稀な経過である)本例を想定すると・・・ : 完全防御でなかったと判断されて、14日間外来診療が止まること・出勤停止在宅生活停止となるのは(:国内流行期においては)非効率となる。

 

在宅生活、グループホーム等での生活が不能となった(生活自立機能が低下した、即ち、免疫能が低下した)ハイリスクの高齢者が入所している施設で、COVID-19が流行した際に、どうするのか・・・。

智頭病院は即破たんする。何せ、現時点(3/5)で、非COVID-19での入院患者が病床がほぼ満床の状態にある。
社会としての覚悟が求められることになる懸念を抱く。
単なる延命のための胃瘻、末梢点滴での水分補給等、本来あり得ない(次世代に託すべき)費用を減じること(=医療費の抑制)を含めて・・・。

(ここまで、平和な外来の合間に 2020/3/5 11:31) 

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